【クレームを防ぐ接客術】レジ待ちのお客様への配慮
そろそろ12月,クリスマスの贈り物や冬物セールも近づいてきて,ショッピングが楽しくなる時期ですね。
最近はどんなお店でも,レジでお会計をしようとすると
「〇〇カード(ポイントカード)はお持ちですか?」
等々,お金を払う前にまたひと動作,要求されるようなこともしばしば。
ちょうど今日の私がそんなふうに,恵比寿の某ショッピングビルで,レジでお金は出したものの
「カードはお持ちですか?」と聞かれて『しまった』と思いました。
何も考えずに並んでいたので,そのビルのカードがすぐに出なかったのです。
「ごめんなさい,持っているはずなんですけど」と言ってごそごそする私に,30歳前後の優しそうな
女性の店員さんは
「いいんですよ,ゆっくりお探しください」
と笑顔で応じてくれました。
時間にすれば30秒にも満たなかったとは思いますが,
「ゆっくりお探しください」
のひとことに救われたような気がしました。
そして,大事なのはこのあとです。
やっとの思いでカードを発見した私が支払いを済ませて振り返ると,そこには4~5人のお客様が列を
成して並んでいました。
『あー,レジのお姉さんだけじゃなくて,この人たちも待たせてしまった』
とさらに申し訳ない気分になったとき。
よくあるのは,レジ前のお客様が入れ替わるタイミングで
「お待たせしました,次の方どうぞ」
と声をかける店員さん。
もちろん,並んでいた方は待たされていたのですから,
「お待たせしました」
と言われて当然,と思うかもしれません。
でも,この場合にお待たせする原因を作ったのは,前のお客である私なんです。
なので,私としてはそのお姉さんの声を聞くことで
『お待たせしてすみません』
という情けない気持ちをさらに抱えることになってしまいます。
せっかく
「ゆっくりお探しください」
のひとことにホッとしたけれど,やっぱり待たせたのは私なんだ…
というしょっぱい思い。
ところが。
このお姉さん(店員さん)は違いました。
レジ前のお客様が入れ替わるタイミングで
「はい,次の方どうぞ。」
としか言わなかったんです。
お待たせしたというコトに対しては,手際の良いレジさばきでお応えし,
『待たせた』張本人である前のお客様(=私)に聞こえるような言葉では
あえて表現しなかったのです。
このように,
「ミスしてしまったお客様にイヤな思いをさせない」
技術を駆使できるスタッフは,クレームを起こしません。
お客様の感情にフォーカスする接客は,ある意味,前段階のクレーム
コーピングとして機能するのです。
こんな接客ができれば,クレームが起きない。
そんなスキルも,これからご紹介していきますね,お楽しみに。